意外と使える64bit Linux.
数年前から64bitのLinuxを利用する機会が何件かあったので傾向とコツを...
1.メモリは20-40%増し
64bitはメモリ食いです.メモリの使用量はとても増えます.
CentOS-5.1の場合,標準インストールで起動するプログラムだけでみても
32bitでは32MB程度だったのが64bitでは80MBのメモリを消費します.
ApacheやMySQLなどのソフトで確認した場合も比較的小規模なモデルケースで見ても
40%近くメモリ使用量が増えます.これだけ増えると多数のプロセスを立ち上げるアプリ
例えばApacheを動的共有オブジェクト (DSO) で導入しているとビックリします.
2.処理は64bitアプリなら早い
CPUの速度向上はケースバイケースと思っていたほうが良いです.
CPU処理能力は実感としては2倍とは行かないけど64bitアプリなら早いです.
とはいえCPUを大量に使う処理でもない限り,あまり効果は感じられず.
普通に使っているうちは20-40%増しな感じしかしないかもしれないです.
64bitの方がディスクへの書き込みが早い気がしてddコマンドで簡単な
実験をした所,ext3の場合は128Kbytes以上のファイル書き込みだと
64bitの方が1割程度書き込み速度が速い様です.
3.64bit対応ではないソフトには注意
64bitで利用の際には事前検証が重要です.
OSSのソフトに限らず64bit非対応のアプリケーションだと早くないです.
またOSSのソフトでは普通にconfigureをするとコンパイルに失敗する
アプリケーションも多いです.コンパイラにパラメータを与えれば
普通にコンパイルは通りますが利用してみると不具合を起こす
アプリケーションもあります^^;;;
また32bitアプリをどうしても使いたくなる事もあるので
32bitのエミュレーションパッケージを入れておくと便利です.
64bitで動かないものも,かなりの確立で動きます.
ディストリビューションの提供しているパッケージ(RPMなど)は
64bit検証がされているのが多いので結構使えます.
実際に64bitのLinuxを利用した感触ですが64bit対応アプリ(Javaや商用のモノ)を
使うのであれば全く問題ないと思えました.
(Red Hat Enterprise Linux 3しかEAL3の認証を取れていなかったので処理能力を
少しでも稼ぐのに64bit版をとクライアント様から指示のあった案件もありました.)
検証にかかる時間を考えるとOSSで安上がりに・・・という話であれば
まだ周りのソフトウェアが付いて来れて居ない感があるので
32bitの方が分がある気がします.
とはいえ...X86のCPUも64bit時代に突入しているので,
これからの64bitLinuxと周辺ソフトウェアの対応を大いに期待しております.